グローブトロッターとは

驚異の手作り魂

効率よりも伝統を、均質性よりも味わいを

"グローブトロッター"の比類なき存在感の秘密は、その生産拠点、東イングランドの工房を訪れれば自ずと見えてきます。効率よりも伝統を、均質性よりも味わいを―そこには、今日失われつつある職人魂が横溢していました。

ロンドンの北東ハートフォードシャーにあるグローブトロッター社の工房。その100年を超える歴史の中で、ロンドン近郊での移転を繰り返した後、'02年に現在のブロクスボーン工房を構えました。幾度の移転にもかかわらず、ここで働く20名余りの職人の多くは40年を超える経験を持ち、古くはヴィクトリア時代から使い続けられてきた工房内の機械の数々が、不変のクラフトマンシップを物語っています。

「効率化」「機械化」を歯牙にもかけないプロセス

グローブトロッター最大の特徴といえば、前述のとおり、特殊素材ヴァルカンファイバーです。この素材は、同社最大の33インチトランクでわずか5㎏という驚異の軽量化を実現させたのです。工房では、このヴァルカンファイバーの断裁に始まり、ケースの形成、ウッドのフレーミング、ライニング、リベット留め、スティッチングなど、全工程に人の手が加わります。

驚異的ともいえるのは、1901年に取得された特許技術であるヴァルカンファイバーを手で曲げる作業。頑強な素材を熟練の職人が手なずけ、ひとつの完成された箱に仕上げていく工程なのです。1週間の生産数はわずか200個。大量生産は不可能だといわれています。「効率化」「機械化」を歯牙にもかけないプロセスは、どんなブランドをしても追随できない境地なのです。

工房からは、人の手のぬくもりを重んじ、素材・工程・道具に至るまで変わることなく、頑ななまでに守り続けられている伝統のクラフトマンシップ。それは何ひとつ変える必要がない、グローブトロッターの持つ普遍性の証なのです。