グローブトロッターとは

世界中で愛されているグローブトロッター

グローブトロッターは世界中で愛されているトラベルケースです。そのシンプル極まりない四角い「箱」には、あふれんばかりのモノ語りが詰まっています。

愛用者でも知らない、知ればもっとグローブトロッターが好きになる。そんな伝説の数々を紐解いていきましょう。

グローブトロッターの誕生

時は1897年。近代産業が花開いた時代、最新の機械を導入した工場で、グローブトロッターは誕生しました。見た目は四角い箱ですが、ただの箱ではありません。1851年に英国で発明された新素材、ヴァルカンファイバーが用いられたのです。特殊な紙を何層も重ね樹脂をコーティングした素材のヴァルカンファイバーは、元が紙だとは思えないほど丈夫で軽量。

しかし、成型が難しいことで知られた素材でした。その難しい素材を、たわみを分散する構造を採用することで軽くて頑強という、まさに鞄にとって理想的な要素を兼ね備えることに成功。そう、グローブトロッターは巨大な象が乗っても、たわみはしても決して壊れないほどの堅牢さを誇る鞄なのです。

この技術は、最新の機械と熟練した職人のクラフトマンシップの賜物でした。そうして、旅行鞄といえば革製があたりまえだった時代に、屈強な紙製の旅行鞄が登場したのです。20世紀初頭、旅行鞄の色といえばブラウンしか考えられない時代に、グローブトロッターは旅に関連が深い、海と空の色であるネイビーを採用しました。そのアバンギャルドな姿が人々の関心を大いに集め、名を広く知らしめることになりました。

世界をかけめぐる男たちの相棒はグローブトロッターで占められた

海ではタイタニック号に代表される豪華客船がグローブトロッターを運び、空では英国空軍、英国欧州航空が正式採用し、地上ではウィンストン・チャーチルが傍らに携えました。さらにエドモンド・ヒラリーがエベレスト登頂の際、ベースキャンプに持っていくケースに指名し、冒険家の支持も集めました。世界をかけめぐる男たちの相棒は最新のトラベルケース、グローブトロッターで占められたのです。

そして現在

グローブトロッターの工場では、創業時と変わらぬ仕組みの、今では時代遅れになった機械が、当時と変わらぬ職人たちの技の下で使い続けられています。素材、製法、デザインも当時のまま。そして、その名の通り「世界中を旅する人」に選ばれるトラベルケースであることにも変わりがありません。使い勝手の悪さもまた味というもの。

機能性を高めてデザインが変わってしまっては、何の意味もありません。価値観ですら移ろいやすい現代にあって、これは奇跡と呼べるでしょう。ではなぜ、奇跡は起きたのでしょうか。それは、グローブトロッターが誕生時、すでに究極のトラベルケースとして必要条件を満たしていたからに他なりません。 Sufficient(必要十分)、現存する英国最古の旅行鞄ブランド。"グローブトロッター"の未来は、遠い過去から脈々とつながっています。